「あんたなんかにはあげないから」


そう言って睨み付けると、遼太郎はあたしに一歩近づいて来た。


「その小瓶が欲しいなんて、俺言ってないよ?」


「なら、なにが目的!?」


何の目的もなくあたしにこの小瓶の話をしてくるワケがない。


遼太郎は嫌らしい笑顔を貼りつけたまま、あたしを見つめている。


その目に見られるだけで、体中に寒気が駆け巡る。


「その小瓶は君のものだ。それに、惚れ薬を使っていることも黙っててあげる」


遼太郎の言葉にあたしは目を見開いた。


「じゃあ、なんで……?」


なにもしないなら、どうして声をかけてきたんだろう。


そう思っていた時だった。