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翌日1時間ほどしか眠れなかったあたしは、ファンデーションで目の下にできたクマを隠した。


少しくらいブサイクになっていても、航の気持ちはあたしへ向かうはずだ。


けれど、特別な日になる予定の今日はいつも以上に可愛くしていたかった。


いつもよりも早く学校へ到着して、自分の席に座る。


航はまだ来ていないようだけど、気持ちがソワソワして落ち着かない。


問題は、どうやって航の飲み物に惚れ薬を入れるかだった。


航はいつもペットボトルのお茶やジュースを持ってきているから、それに入れるしかないのだけれど、ペットボトルの場合は1度はキャップが開いていなければ怪しまれてしまう。


航がどのタイミングでペットボトルの蓋を開けるか、ちゃんと見ていなければいけない。


「青花、今日は早いね」


そう声をかけられて振り向くと初美が立っていた。