ハッキリとそう言ったのに、店員さんはあたしの手に惚れ薬の瓶を握りしめさせてきた。


「いらないって言ってるじゃないですか!」


「お金はいらない。でも、きっと君には必要になるものだ」


「なに言ってるんですか」


すべてを見透かされている気分になって、カッと体が熱くなる。


どれだけ頑張っても報われない恋心。


いっそ、航の事を嫌いになれたらと思う。


「大丈夫。使うか使わないかは、君が決めればいいから」


店員さんがそう言い、あたしにほほ笑みかけて来た。


あたしは手の中の小瓶を見つめる。