割り箸をグッと握りしめた時、あたしの机の前に誰かが立った。


顔をあげてみると遼太郎がそこに立っていた。


とっさに顔をそむける。


そんな状況になったって、遼太郎なんかにすがるもんか。


「ね、ねぇ青花」


遼太郎の声にあたしは思わず睨み付けていた。


「あんたに呼び捨てになんかされたくない」


冷たく言い放つと、遼太郎は困ったように初美へ視線を向けた。


航と2人でお弁当を食べていた初美が立ちあがり、近づいて来た。


「ごめん青花言い忘れてた」


初美がわざとらしくそう声をかけてくる。


あたしは何も言わず、ただ初美を睨み付けただけだった。