授業中でも休憩中でも、航と初美のことが気になって仕方なかった。


航は休憩時間になると自分から初美の席へと近づいていく。


そして親し気に会話をするのだ。


それはカップルの会話とは遠いものだったけれど、あたしの胸を切り裂いていく。


あたしは何度か真弥に話しかけてみたけれど、さっきの出来事のせいで返事をしてくれなくなっていた。


1人でポツンと座り、買って来たコンビニのお弁当に箸を伸ばす。


教室のあちこちから聞こえて来る楽し気笑い声に、いたたまれない気分になった。


なんで?


あたしが何をしたっていうの?


俯き、味のしないご飯を粗食しながら胸の奥に黒いモヤが生まれ始める。


あたしには友達がいたはずだ。


クラスメートとだって上手く行っていたはずだ。


薬さえ、手に入れることがなければ……。