しかも、小瓶に残っていた薬すべてを飲ませたんだ!


たった一滴でも相手に忠実になる薬。


今の航は初美のことしか目に入っていないかもしれない。


あたしは壁を思いっきり殴りつけた。


コンクリートの壁はびくともせず、自分の拳が痛んだだけだ。


それでも止める事ができなかった。


「チクショウ!」


そう叫び、また壁を殴りつける。


チクショウ! チクショウ! チクショウ!!


「青花、やめなよ!」


真弥が慌てて止めに入るけれど、そんな真弥の体を付き飛ばしていた。