惚れ薬

航のこんな表情、見たことがないと感じた。


「ありがとう航」


初美がそう言うと、航はあたしの手を離した。


「まさか……あんた……」


怒りで声が震える。


初美の下品な笑顔に吐き気を感じた。


「残りの薬ぜーんぶ、航に飲ませたよ?」


楽し気な口調でそう言う初美。


ふざけるな……!!