惚れ薬

初美の言葉に自分の体がカッと熱くなるのを感じた。


この関係は永遠に続くと思っていた。


これであたしはクラスのトップになれると、そう思い込んでいた。


「ちなみに、あたしは元々飲んでないから」


シレッとしてそう言う初美にあたしと真弥は顔を見合わせた。


「薬を持っている相手がいるのに、飲み物を机に置きっぱなしにするバカがどこにいるの?」


初美がそう言い、あたしの顔を覗き込んだ。


「まさか、全部演技……?」


「当たり前じゃん。あんたがあたしの飲み物に薬を入れてるところは影から見てた。忠実なシモベになったふりをして動いておけば、小瓶に近づけるチャンスも増えると思って」


あたしは自分の頭が真っ白になっていくのを感じていた。


「まさか、航の飲み物に細工した?」