惚れ薬

あたしはその小瓶を奪い取った。


一滴も残っていない。


「あんなに残ってたのに! 一体誰に使ったの!?」


そう怒鳴ると、初美はニヤリと笑った。


「そんなの、どうでもいいじゃん。それより、青花が使った分はもう効果が切れてきてるみたいだね」


初美がニヤニヤと、人を見下した視線でそう言った。


あたしは空になった小瓶をきつく握りしめた。


「あたしはあの薬についてちゃんと調べてたから、一滴だけなんて使い方はしなかったよ」


初美の言葉に、あたしは自分の耳を疑った。


「どういう意味?」


「一滴で継続する時間は平均で一週間ほどなんだよ。薬を持ってたくせに、そんなこともしらなかったの?」