あたしはそう言い、ポケットの中の小瓶を握りしめた。


ほんの一瞬だ。


ほんの一瞬で終わる。


あたしは初美を見た。


初美は眉をハの字に曲げてすぐに顔を伏せてしまう。


思わず舌打ちしたい気分になった。


真弥が航に話しかけ、2人で教室を出て行く。


そのタイミングであたしは自分の席を立った。


幸いなことにクラスメートの半分くらいは教室にいない状態だ。


今ならいける!


大股に航の机へと歩いて行く。