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放課後になり、あたしは初美を呼び止めた。


「なに?」


「これから買い物行くから、付き合って」


「……でも、あたしはデートの約束があって」


言いにくそうにそう言う初美。


きっと昼間の電話で約束を取り付けていたのだろう。


「断ってよ」


あたしは迷うことなくそう言った。


「そうだね、そうする」


初美は笑顔で頷き、彼氏にメッセージを送った。


「じゃ、行こうか真弥」


「うん」


「初美は荷物持ちだから、鞄は置いておきなよ」