電話から戻って来た初美が、何も知らずにペットボトルに口をつけた。


それを見てあたしと真弥は目を見交わせる。


「今日の午後は漢文と数学かぁ。面倒だなぁ」


あたしはそう言ってため息を吐き出した。


すると初美がニコニコと笑顔をこちらへ向け始めた。


「なにか手伝おうか?」


自分からそう言って来る初美。


「そう? それならノートとってよ、あたしと真弥の分」


「いいよ。まかせて」


初美は喜んであたしたちのノートを受け取った。


「これで学校生活がまた楽しくなるね」


真弥の言葉にあたしは笑ったのだった。