航はなんの反応も見せず、自分の席に座っている。


「付き合ってるなら、キスしてみせてよ」


あたしは冗談っぽくそう言ってみせた。


みんなもクスクスと笑い声を上げている。


「いいねぇ、最低同士でキス!」


「やれよ、キス!」


遼太郎がサキの腕をつかむ。


サキは逃げようとするが、その視界の中に初美が入り込んだ。


「キスしてみせてよ」


初美の言葉にサキが逃げられなくなる。


その場に棒立ちになり、遼太郎が近づいてくるのを呆然と見つめているサキ。


やがて2人の距離は縮まり、唇が触れ合った。