どうせ2人の恋は成就しないんだから、傷つく必要だってない。


自分にそう言い聞かせて、2人の行方を見守った。


サキの表情が見る見るうちに歪んで行く。


それは汚い物でも見ているような目つきだった。


「冗談やめてよ」


サキが一言そう言い放ったことで、航の表情が変わった。


さっきまで希望に満ち溢れていたのに、今は青ざめている。


「あんたとあたしが付き合うとか、本当に笑えるんだけど」


「え、だって……」