サキは戸惑った表情をこちらへ向けたけれど、「なにか買ってこようか?」と、言ってくれた。


「じゃあ、サキが飲んでたピーチ味の紅茶にして」


「でもあれ、バイト先で買ったんだよね。ちょっと遠いから無理だよ」


サキが眉間にシワを寄せてそう言った。


「なんで? 買って来てよ」


初美があたしとサキの間に立ってそう言った。


サキは一瞬にして笑顔になる。


「そうだね、わかった。今から買ってきてあげるよ」


「ついでにあたしと真弥の分もね」


「もちろん! 行ってきます!」


サキは満面の笑顔を向けて教室から出て行ったのだった。