サキはまたジュースを飲む。


その様子をあたしはニヤニヤと笑いながら見つめた。


これでサキはあたしたちの言いなりだ。


サキは自慢話の続きをしながら、ジュースをすべて飲み干した。


教室の後ろに置かれているゴミ箱にジュースの箱を捨てるため、立ち上がるサキ。


そのサキへ向かって初美が歩き出した。


初美はサキにわざとらしくぶつかり、「あ、ごめん」と、冷めた声で言った。


サキは一瞬何か言おうと口を開いたけれど、次の瞬間笑顔になっていた。


「全然大丈夫だよ。ごめんねぶつかって」


初美にそう言って頭を下げたのだ。


今までのサキでは考えられないことだった。


あたしは立ち上がり、2人に近づいた。


「なんか喉乾いた」


あたしがそう言うと、初美が「だってさ」と、サキへ向けて言った。