「それで? 愛はいつから小林君の事を好きだったの?」


わざとらしくそう聞いてくる真由。


「わかってるくせに」


と、頬を膨らませて真由を睨み付けた。


「今度もダブルデートする?」


その質問にあたしは仏頂面をしたまま頷いた。


正直、まだ1人であそこへ行く勇気はない。


真由が一緒なら心強いだろう。


「それなら、カップルとしての演技をちゃんとすること」


真由にそう言われて、あたしは地下室へ行ったときのことを思い出していた。


あのとき、スーツの男たちはカップルかどうか質問をしてきた。


それに不自然じゃないように返答するために、カップルとして演じる期間が必要になって来るのだ。