「ご飯を食べている間に展示が終らなかったら?」


そう聞くと、真由はニコッとほほ笑んだ。


「大丈夫だよ。向こうが察して展示を中断してくれるから」


真由の言葉にあたしは小さく息を吐き出した。


一気にあれこれ質問をして、気分が高揚している。


「それは《彼氏売買》を優先させてくれるってことでいいんだよね?」


「そう言う事。《彼氏売買所》は一部の人にしか知られてない。利用者はまだまだ少ない。けれど絵の展示をするよりもはるかに儲ける事ができる事業だからね」


「あたしたちにあれだけのお金を渡しても?」


「儲けがないと成り立たないよ。売った彼氏を購入する女性からは、もっと貰ってるってこと」


隼人にも10万円以上の値段が付いているということなんだろう。