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両親にバイトの許可を取ったあたしは、足早に学校へむかった。


教室のドアを開けても真由はまだ登校して来ていなくて、ため息を吐き出す。


もう少し、詳しく《彼氏売買所》について説明を聞くつもりだった。


あたしが時給1000円ほどで働いたとしても、家の借金返済までには至らない。


となると、根本的な原因は解消されないままになるのだ。


高校生のあたしが借金返済を手伝うためには、やっぱり《彼氏売買所》に頼るしかない。


真由が登校してくるのを今か今かと待っていると、先に隼人が登校してきた。


一瞬目が合い、咄嗟にそらせてしまう。


しかし隼人は特に気にする素振りも見せずに自分の席へと向かった。