どういうことだろう。


疑念を感じつつ、残った封筒に手を伸ばす。


中身を確認してみると、1万円札が何枚も入っているのがわかった。


今度は自分の目を疑い、中身を何度も確認する。


何度見ても同じだ。


1万円札が10枚入っている。


「なにこれ、どういうこと?」


突然こんな大金を手渡されて、平気でいられるわけがなかった。


あたしは焦りにも似た感情を持ち、真由にそう聞いた。


「言ったでしょ。ここは《彼氏売買所》だって。あたしたちは今自分の彼氏をお金に換えたんだよ」


なんでもないようにそう言う真由に、あたしは血の気が引いていくのを感じた。