「ここはね《彼氏売買所》っていうお店なの。もちろん表向きはさっき見た通り展示会の会場だけどね。でも本当は彼氏を売る場所なの」


真由の言葉にあたしは自分の耳を疑った。


真由は本気でそんな事を言っているんだろうか。


《彼氏売買所》なんて、聞いたこともない。


いぶかしりながら2人が戻って来るのを待っていると、さっきの男性が1人で戻って来た。


その手には2つの封筒が握られている。


「彼氏の査定が終りました」


あたしたちの前に立ち、男はそう言って封筒を差し出して来た。


真由がすぐにそれを受け取る。


「さすが川田君。そこそこの金額になったよ」


封筒の中身を確認してニヤニヤと笑みを浮かべる真由。