けれどそれを直接伝えてこないということは、男2人には知られてはいけないことなんだとわかった。


あたしは小さく頷いてスマホを鞄にしまった。


なにもわからないあたしは真由の言う通りに動くしかなさそうだ。


「さっき地下室に絵の展示がしてあるって書いてあったの、見た?」


そう言われて、あたしは階段へ視線を向けた。


地下室へと続く扉はさきほどまで開かれていたのに、今は閉じられている。


水彩画の看板も撤去されてしまっていた。


それを確認して真由へと視線を戻す。


「行ってみない?」


真由の提案にあたしは首を傾げた。


真由はあの看板が撤去されたことに気が付いていないのかもしれない。