隼人の頬に赤みが戻る。


単純すぎる。


そう思いながらあたしは隼人に手を振って学校裏から逃げだした。


雨雲はすぐ真上まできている。


「もう、最悪」


今日は隼人のような真面目な男子からの呼び出しだったから、ちょっと好奇心を抱いて呼ぶ出しに応じてしまったのだ。


結果、つまらない上に雨に見舞われそうだ。


「おかえりぃ」


校門を出る寸前でそう声をかけられて振り返ると、柱の陰から友人の勝山優里(カツヤマ ユウリ)がひょっこり顔を覗かせた。