「おはよう隼人君」


ずっと俯いているから、仕方なくあたしから声をかけた。


隼人は驚かされた時のように肩をビクリと震わせて顔を上げた。


その顔は真っ赤に染まっている。


「お、おはよう」


おどおどとそう言い、また顔を伏せてしまった。


「彼氏はデートとか初めて?」


隼人の様子を見て、川田君がそう聞いて来た。


「そうだね。たぶん」


あたしはそう返事をした。


隼人の恋愛歴について聞いたことはないけれど、一目瞭然だった。