背中に冷たい汗が流れて行く。


「お前、《彼氏売買所》で男を売ってただろ」


蓮人の低い声に、あたしは硬直した。


今までの優しい笑顔は冷たい表情に変化している。


「し、知らない!」


咄嗟に嘘をついたけれど、声が裏返り、震えていた。


「隠しても無駄だ。あそこも事務所の管轄だからな」


蓮人はそう言い、口の端を上げて笑う。


「彼氏を売買してもせいぜい100万円単位だけれど、女の場合は数千万円にのぼる時がある。特に、美人な処女はな」


蓮人があたしを見てそう言った。


蓮人があたしの借金をすべてチャラにした理由、そしてAVに売らなかった理由が理解できた。