見ているだけで癒される店内だ。


「一番最初に愛を連れて来ようと思ってたんだ」


蓮人にそう言われ、あたしは自然と笑顔になっていた。


「こんなサプライズだなんて思わなかった」


オープン前の雑貨店に入れるだなんて、誰も思わない。


「愛のために輸入した雑貨があるんだ。こっちに来て」


蓮人に手を握られ、あたしは《スタッフオンリー》と書かれているドアの向こうへと入って行った。


そこは思ったよりも広く、店頭に並べられていない商品の段ボールが積まれていた。


奥は通路になっていて、従業員の休憩スペースやロッカールームになっているようだ。


通路の最奥まで来て蓮人は立ち止まった。


左右にドアがあり、そこにはなんのプレートもかけられていない。