ダブルデートと言いながら、相手のことを聞いていなかったことを思い出す。


「隣のクラスの川田君」


そう言われてすぐにピンと来た。


隣のC組では一番のイケメンだと専らの噂だ。


「C組の生徒がF組の生徒に告白するなんて、稀だよね」


そう言うと、真由はキョトンとした表情を浮かべた。


F組は各学年に存在しているが成績最下位の生徒たちが集められている、落ちこぼれの組だった。


A組B組C組、間がなくて突然F組となる。


差別的だという保護者もいるようだけれど、それだけ学力に差があると言うことなんだろう。


「そうかな?」


「あたしや真由は例外の話」