随分と軽い女と思われてしまっているようで、深くため息を吐き出した。


付き合って来た男子生徒たちが噂を流しているようではないけれど、やっぱりおのずとバレてしまうものなんだろう。


狭い学校内の出来事だから、当然と言えば当然だった。


「おはよう愛」


その声に顔を向けると、優里が登校してきたところだった。


「おはよう優里」


友達の顔に安堵しながら2人で並んで教室へ向かう。


2人でいると、さすがに男子生徒たちも軽口は叩かない。


「ねぇ、昨日一緒にいた人って彼氏」


階段を上がっている途中でそう質問されあたしは優里を見た。


「買い物してる時に偶然みかけたの」


「そうなんだ。そうだよ、彼氏」


別に隠す必要はない。