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次のデートの日も、蓮人は車で迎えに来てくれた。


あたしが近所の目を気にするからか、今度は家から少し離れた場所にいてくれる。


こういう細かい気配りが、いちいち胸をドキドキさせるのだ。


それに、蓮人の車になら警戒せずに乗れるという点も大きかった。


この調子で蓮人と付き合えば、昔の傷も癒えるかもしれない。


「そのネックレス、気に入ったか?」


運転中の蓮人にそう聞かれ「うん。可愛い」と、頷く。


そんな自分の顔がバックミラーにうつり、頬が赤くなっているのがわかった。


「よかった。あまり女と付き合った事がないから、なにがいいか悩んだんだ」


「本当に……?」


蓮人くらいカッコよければ、いくらでも女性が近づいてきそうだ。


「本当だ。相手から近づいて来る女は、どうせ俺の顔が目当てだからな」