「ねぇ優里、人を好きになるってどんな感じ?」


「え、急になに?」


あたしの質問に優里は戸惑っている。


けれど少し考えた後、「ここがドキドキする」と、自分の胸を指さして見せた。


「相手の一挙一動が気になって、ちょっと振り回されてる感じのときもある」


「……そうなんだ」


今のあたしもそうなんだろうか。


胸はずっとドキドキしている。


「どうしたの愛。まさか他に好きな人ができた?」


そう聞いてくる優里に、あたしは首を振った。


「違うの。自分の彼氏のことを考えると、ドキドキするの」


そう言うと、途端に優里は笑い出した。