☆☆☆

教室へついてからもあたしのドキドキは治まらなかった。


蓮人の手の熱が、ずっと首の後ろに付いて回っている。


「どうしたの愛、熱でもある?」


教室へ入って来た優里が心配そうに声をかけてきた。


「え? なんで?」


「顔が赤いよ?」


そう言って手鏡を渡されて、はじめて自分の顔が赤い事に気が付いた。


「なんで……」


思わずそう呟いた。


もちろん熱なんてない。


だけど体は熱く、蓮人のことが頭から離れなくなっているのだ。