『お前はもう俺の女だ。その女の身内から金を奪う事はできない』


それが蓮人の言い分だった。


過払い金は数百万円にのぼり、今のあたしはセレブになった気分だった。


「最近素敵な彼氏もできたんでしょ? 良かったね」


優里はそう言ってほほ笑んだ。


「うん。ようやく長く付き合えそうに出合ったよ」


蓮人はあたしの前では優しかった。


よく笑うし、面白い話もしてくれるし、一緒にいて全然飽きない。


この人が恐ろしい取り立てをしているなんて、考えられないくらいだ。


3人でファミレスへ入り、お昼ごはんにしようとしていた時、あたしのスマホが震えた。


蓮人からのメッセージだ。


《次の休み、どうする?》


そんなメッセージを見て、思わず頬が緩んだ。