☆☆☆

待つ事20分。


黒いスーツの男が封筒を手に戻って来た。


1日に3度も訪れているのに、その表情は変化していない。


このくらいのこと、日常茶飯事なのだろう。


「ありがとう」


そう言って封筒を受け取る。


中身を数えてみると、80万円だった。


期待していたよりも安い。


でもまぁ、半分下半身だけで生きているような宇野のことだから、このくらいの金額が妥当なのかもしれない。


あたしは新しく手に入れた80万円を握りしめて、喫茶未来を後にしたのだった。