「ここの地下はカップル専用になってるんだよ」


宇野が食べ終えたタイミングで、あたしはそう言った。


「カップル専用?」


「うん。個室空間があるの」


オレンジジュースをひと口飲んでそう言うと、宇野は目を輝かせた。


「まじで? この喫茶店、そんなこともしてんの?」


なにを勘違いしているのか、鼻の下が伸びている。


体の関係が目的でナンパスポットにいたのだから、興味津々だ。


「行ってみる?」


上目使いでそう言うと、宇野がゴクリと唾を飲むのがわかった。


あらぬ妄想をしていることは間違いなさそうだ。