彼氏売買所

メールの中では一応カップルとして成立していたけれど、あたしはそう聞き返した。


「あぁ。ちゃんと付き合う。だってお前可愛いし」


突然の『お前』呼ばわりに一瞬引っかかったけれど、彼氏になるのならまぁいい。


「あたし、いきたい場所があるんだけど」


「いいよ。連れて行ってやるから」


「でも、駐車場はないの」


そう言うと宇野は大きくため息を吐き出した。


宇野という男は自分が不機嫌でも、それを隠そうとしないようだ。


「近場なんだろうな?」


そう聞きながら車の中から財布やスマホを取り出し、ポケットへとねじ込んでいく。


「うん、大丈夫」


面倒くさそうにしながらも、一応はあたしについて来てくれるみたいだ。


その事に安堵したのだった。