彼氏売買所

こういう男なら、あたしの近辺も簡単に調べることができるだろうから。


「売春か」


そう聞かれてあたしは蓮人を見た。


蓮人の色素の薄い、透き通った目を見ていると吸い込まれてしまいそうになる。


この人を売ったらいくらになるだろう。


ふとそんな事を考えてしまう。


「あなたには関係ありません」


あたしは突っぱねるようにそう答えた。


すると蓮人は楽し気な笑い声を上げる。


「そうか。それもそうだな。俺はお前から金を取れればそれでいい」


蓮人の言い方はどこか人を見下していて、あたしは奥歯を噛みしめた。


「お前なら一回で随分金をとれるだろう」


そう言う蓮人を無視し、あたしはコーヒーを飲みほした。


あたしにできるバイトなんて売春くらいだと思っているのだろう。


「これからバイトがあるから、帰ります」


あたしは蓮人へ向けてそう言い、事務所を出たのだった。