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放課後、待ち合わせ場所に現れたのはパッとしない先輩だった。


面長の顔に細い体。


沢山の人がいれば紛れてしまって見つけられないかもしれない。


相手のルックスを見た瞬間、あたしは大きなため息を吐いてしまった。


これじゃ大したお金にはならないだろう。


せめて先輩に何かプラスな点があればいいけれど。


「俺と付き合ってください!」


緊張から声を裏返しながらそう言う先輩に、あたしは笑顔で頷いた。


「ありがとうございます。嬉しいです」


そう答えて一生懸命照れているフリをする。


先輩はあたしの答えに一瞬硬直し、それから徐々に顔を赤らめて行った。


耳まで真っ赤になった時「嘘だろ!?」と、大きな声を張り上げる。


その反応に内心笑いながら、あたしは首を傾げた。