書類に書かれている金額は当初見たものよりも跳ね上がっていた。


一千万円にも届くその金額に、メマイを起こしそうになる。


あたしがバイトをしている間にも、この金額は上がり続けて行くのだろう。


「ふ、不当な金利じゃないんですか」


手のひらに汗が滲み、あたしはそれを制服で拭った。


緊張と恐怖で気が狂ってしまいそうだ。


「この会社のやり方に納得して金を借りたのは、お前の爺さんだ。そうだろ?」


ホスト男があたしに書類を突き付けてそう言って来た。


そうだとしても、こんなのが通るワケがない。


ちゃんとした場所に相談すれば、払わなくてもいいはずだ。


けれどそれを口に出す事はできなかった。


一刻も早くここから逃げ出したい。


そんな気持ちで一杯だ。