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むしゃくしゃしていたあたしは沢山の買い物をしてしまい、家に帰る頃には150万円あった現金は50万円になっていた。


数時間で100万円も使ってしまった事に驚いたが、それでも胸の中のムカつきは完全にはぬぐえない。


買い物という現実逃避が終れば、また現実へ戻るだけだった。


両手に大荷物を抱えて、そそくさと自分の部屋に引きこもる。


さすがに、こんなに大量の買い物を両親に見せるワケにはいかなかった。


中には大人でも手に入れられない高級ブランドの商品もある。


「あ~あ、せっかく借金が減ると思ったのに」


あたしは紙袋の中身を確認しながらそう呟いた。


50万円じゃ、まだまだ先は遠いだろう。


購入した商品の中には勢いだけで買ってしまった、わけのわからないぬいぐるみまである。