男の手の力が緩んだ隙に、あたしは体を持ち上げて状況を把握した。


そこに立っていたのは啓太郎だったのだ。


啓太郎は目を吊り上げて男たちを睨み付けている。


あたしは驚いて唖然としてしまった。


どうしてここに啓太郎がいるの!?


あたしは口にねじ込まれたハンカチを取り出し、大きく息を吸い込んだ。


「なかなかカッコいい彼氏だな」


西田さんが笑いながらそう言って来た。


「なんであんたが……」


そう言いかけて、口をつぐんだ。


今はそんな事を言っている場合じゃない。


逃げなきゃ!


そう思い立ち上がる。


しかし、あたしの体は簡単に組み敷かれてしまう。