しばらく西田さんと他愛のない会話をしていた時だった。


2人の男が公園内に入って来た。


年齢は西田さんと同じくらいか、2人とも黒い帽子を深くかぶっていて顔が見えない。


「そろそろ行こうか」


西田さんがそう言い立ち上がる。


あたしは空き缶をゴミ箱へ捨てて立ち上がった。


その瞬間だった。


不意に西田さんの手があたしの口を塞いでいた。


状況を理解するよりも早く、帽子の男が駆け寄って来る。


抵抗なんてする時間はなかった。