「愛ちゃんは可愛いから、それも仕方ないけどね」


西田さんはあたしを咎めるでもなく、そう言った。


「西田さんはどうしてナンパスポットにいたんんですか？」


あたしは感じたことをそのまま口に出して訊ねていた。


答えなんて、彼女が欲しかったからに決まってるのに。


「友達の付き合いで」


西田さんはそう言って笑った。


本当だろうか？


あんな場所で出合えば、誰だって自分の本心を隠したいと思うだろう。


あたしはチラリと西田さんの表情を伺い見た。


西田さんは空を見上げていて、何を考えているのかいまいちわからない。