真由が一緒ならここまで緊張せずに、ジュースくらい奢ってもらえるのに。


内心そう思うが、この状況についていけていない自分が悪いのだ。


「じゃあ行こうか」


買い物をした西田さんと並んでコンビニを出る。


ここからが本番だ。


駐車場には見たことのあるレクサスが停まっているが、あれに乗ることはできない。


「あの、ちょっと歩かない?」


あたしはキーを取り出そうとした西田さんへ向けてそう言った。


「え?」


「えーっと、あたし車酔いがあるから、あまり乗りたくないなって」


咄嗟にそう言ったが、西田さんは怪訝そうな表情をあたしへ向けている。


怪しまれただろうか。


心を読まれるのが嫌で、あたしは視線をはずす。


「もしかして、俺の事警戒してる?」


「そんな……」