『デートの日には車で迎えに行くから』


そう言われて、あたしは返事に詰まってしまった。


当然そうなるだろうと思っていたけれど、やっぱり相手の車に乗る事はためらわれてしまう。


運転の主導を握られてしまった状態では、予定通り喫茶未来へ行けるかどうかもわからない。


『愛ちゃん? どうかした?』


そんな声で我に返った。


「なんでもない。楽しみにしてるね」


あたしはそう返事をして電話を切ったのだった。