あたしは驚いて顔を上げる。


一瞬真由と視線がぶつかると、小さくごめんねと呟かれた。


言い訳としてあたしを利用されるのは理不尽だったけれど、この場ではそれが一番シックリくる。


あたしは黙って真由の言葉を聞いていた。


「愛ってモテるのに、男の人のこと敬遠してるでしょ? だからちょっとでも馴れてほしくて」


「そうなの?」


真由の話を聞いて、優里がまたこちらへ視線を向けた。


こうなってしまったら仕方がない。


あたしは優里を見て頷いた。


「実はそうなんだよね。中学時代の時に告白してきた男子にいきなりキスされて、それからあまり男が得意じゃなくなってさ」


これは嘘じゃないから、スラスラと言葉が出て来た。