バカにされるか、信じてもらえないかのどっちかだと思い、今までそれを言い出す事ができなかったのだ。


真由は驚いた顔を浮かべた後呆れた顔になった。


「そうなんだ。どうりで用心深いと思った」


そう言い、あたしたちはまた歩き出す。


「でも、このバイトでなんとなく男のこともわかってきたんじゃない?」


そう聞かれて、あたしは首を傾げた。


付き合った経験がなくたって、ある程度男性経験はある。


キスくらいならしたことがあるし、その結果自分の理想の人じゃないと嫌だと思うようになったのだ。


「男は顔で女を選んでるってことしかわからない」


あたしはそう返事をすると、真由はおかしそうに笑い声をあげたのだった。