「なにそれ、本気で言ってるの?」


「うん……」


近くにいる優里には彼氏の存在を誤魔化す事が難しい。


特に同じ学校の生徒と付き合っているとなると、なかなか嘘が通せないのだ。


「冗談でしょ? だって愛は隼人とも……」


そこまで言って、優里は言葉を切った。


優里の視線を追いかけて行くと、廊下で隼人が2年生の女子生徒と仲良く会話をしているのが目に入った。


あの人が隼人を買ったのかな。


ぼんやりとそんな事を考える。


《彼氏売買所》を知っていれば、飽きた彼氏をまた売る事もできる。


そうやってお金を作っては購入している女性だって、きっといるだろう。