「いくらになったの?」


真由が興味津々にそう聞いてくる。


「ちょっと待ってね」


あたしは震える指先でお札を数えはじめた。


隼人よりも高く売れたことだけは、確実だ。


「45、46、47……50」


最後まで数えて、あたしは大きく息を吐き出した。


50万円だ。


「すごいじゃん。思った通りの金額だね」


真由が隣でよろこんで手を叩いている。


「でも、購入者はこの倍の金額は支払うってことだよね?」


「たぶんそうだね。それでも小林君には買い手がつくってことだよ」