「でも、ある程度恋愛経験が豊富な人たちなのかなって思う。自分の好みの彼氏をこんな場所で買うんだもん」


「そうだよね。本気で恋愛するっていうより、遊びに近いのかな」


「そうかもしれないね」


そんな会話をしていると、スーツの男が封筒を持って戻って来た。


あたしはゴクリと唾を飲みこみ、それを見つめる。


差し出された方の封筒を受け取り、その厚みに心臓がドクンッと大きく跳ねた。


隼人の時よりも随分分厚い。


恐る恐る封筒の中身を空けてみると、沢山の1万円札が入っていた。