晴が振り向きながら男について行く。


そのドアが閉まった時、あたしはホッとして息を吐き出した。


バレるようなことじゃないとわかっているけれど、やっぱり嘘がバレてしまうのではないかと不安で、終始ハラハラしていた。


「小林君はいい値段がつくよ」


待っている間、真由がそう言って来た。


「そう思う?」


「うん。可愛い顔してるし、恋愛経験が少ないし、きっと年上の人に可愛がられる」


「そうなんだ……」


そう言われればそうかもしれない。


「彼氏を購入する人って、どんな人なの?」


「さぁ、それはあたしも知らないなぁ」


真由は首をかしげてそう答えた。